recokin's room



バンジョーおたくなパーツの部屋 その3


count from 2009/8/20

*枠に囲まれた画像をクリックすると、別ウインドウにて画像を拡大、あるいは動画の再生を始めます。

 ムーンシャイナー誌7月号に、私の投稿記事が掲載 ... 2014/7/1

ブルーグラス専門誌「ムーンシャイナー」の7月号に、私の投稿記事が掲載されました。しかも、表紙のトップにフルネームで、出とる!...こりゃ、さすがにちょっと恥ずかしいですわ(*^ー^)>
4月に行った、米バンジョーの聖地巡礼の旅ネタが、これから数回にわたって連載されるそうです。

お求めはコチラから...

http://bomserv.com/MoonShiner/top.html
「後日談」 ... 2014/11/27
7月号より連載された「バンジョー巡礼の旅」は、12月号の「バンジョー巡礼の旅 最終回 チャーリー・クッシュマン訪問」にて最終回を迎えました。永らくのご拝読、誠にありがとうございました。


 Hoffmeyer Picksとoval-8を比較 ... 2014/1/16

今話題(ですよね?)のフィンガーピック「Hoffmeyer Picks」(画像右)を、本家Nationalのヴィンテージ・フィンガーピックの中でも人気の高い、通称「oval 8」(第二次世界大戦直後に生産・流通:画像左)と比較してみました。ちなみに、材質はどちらも洋白(銅と亜鉛、ニッケルから構成される合金)です。

【oval 8】重量:2.43〜2.48g 厚み:0.61〜0.62mm

【Hoffmeyer】重量:2.56〜2.57g 厚み:0.62mm

厚みはほぼ同じ、重量はわずかにHoffmeyerの方が重いですが、写真でおわかりのとおり、oval 8の方がわずかに穴が大きいので、単純に比較することは出来ません。(←じゃあ、意味ないじゃん(ノ´Д`)トホホ)

さて、肝心の弾き心地は...後日っ!

 Bill Keithの5弦スライドカポ ... 2013/4/16

Bill Keithの愛器、Rich and Taylor Bill Keith modelに装着された、彼自家製(?)の5弦スライドカポです。

今から30年前、私が学生の頃に、当時のBanjo Package誌に載っていたこのスライドカポのレポートがありました。確か、そこには写真じゃなくて、イラストが掲載されてました。それを頼りに構造や寸法を想像して、自分で手作りしてみました。家業が金属加工業を営んでいて、その工場でバイトもしてたので、簡単な工作機械も使えたんです。それを、私が当時に弾いていたTokai T-1200Rに装着してました。

そして今回、Bill Keithのワークショップ(2013年4月14日、大阪、アートエリアB-1にて)の際に改めてホンモノを目の当りにして、ほぼ同じであることを確認!めっちゃ嬉しかったっす(^^)v
私のはニッケルメッキを施してましたが、Billのホンモノは無垢の真鍮で、手汗で錆びないかちょっと心配になりましたが、果たしてどうなんでしょう?

5弦ペグの釦の締め付けを利用して固定する仕組みなのですが、その付近の曲げ部にハンダで補強した部分がありました。多分クラックが入ってしまったので、ハンダで補修したんだと思います。
また、5弦ペグとの間にシリコンのようなものが充填されてました。これは多分、カポ本体の曲げ部が柔く、カポの弦を押さえる部分が指板上方向に引っ張られるて弦がビビるのを防ぐためのものと推定します。

実際この構造は、通常の5弦スライドカポを比較すると、バネを使っていない分、弦を押さえる力を稼げるわけですが、上記のような対策を施したとしても、レールのたわみを完全に解消することは出来ないと思います。なので、やはりハードな弾き方では心許ないと思います。私が僕が使うのを止めたのも、それが原因なんですが...
また、私のような手の小さい者には、ネックの幅が増すこともマイナス要因ですしね。でも、それも手が大きい欧米人には問題無しなんでしょうし、Billのような演奏スタイルであれば、5弦を抑える圧力も十分なのかもしれません。

さて、当時私が自作したパッチもんの写真もここに掲載できればよかったのですが...日曜の夜からずっと探してるんですが、どこに行ったか見つかんない...(-_-;残念無念

 バンジョーおたくの鑑(最終回?) ... 2013/3/1

前回の最後に「このページでのフォローはここまで」と書きましたが、どうやら本当に最終回のようなので...
(修理完のネックを装着)
YouTube - Gary Price Banjo 116-5 Round 7
何故か「8」が無くて「9」に...これで完成だそうです。
YouTube - Gary Price Banjo 116-5 Round 9
さすがに一番最後のクリップが、一番良い音に聴こえるから不思議ですね。でも、こんだけ手間を掛けたんだから、当たり前か(^^;

 バンジョーおたくの鑑(つづきのつづき) ... 2013/2/19

あれからしばらく音沙汰無いと思ったら...プリウォーオリジナルネックの指板を張り替えちゃったんだぁ!
Price翁ったら、やるぅ(^^;
YouTube - Gary Price Banjo 116-5 Round 6
一番初めの動画を観た某ルシアーさんからは「オリジナルネックはリフレットか何かしないといけないようですね。7フレット辺りから上はどうも気になります。」というコメントも頂いてました。多分実際には指板の減りも激しく、実演奏に使うには指板ごと貼り替えちゃうのが吉と言うことだったのでしょう。
また、ヒール部は壊れてた(落下痕?)とかで直したんじゃないでしょうか?クリップの中では語ってるようですが、聞き取るのが面倒くさい...と言うか、私のスキル不足なので、想像に留めておくことにします(-_-)

さて、このページでのフォローはここまで。以降は各自、Gary Price氏のYouTubeチャンネルからお楽しみ下さいませ。

 バンジョーおたくの鑑(つづき) ... 2013/2/8

「今後の展開もあるのかな?期待してます!」なんて書いてたら、早速翌日(^^;このじいさん、とどまる所知らず...
(2006製の自作ネックとブリッジをSnuffy Smithに交換)
YouTube - Gary Price Banjo RB-3 116-5 Round 5a
本当に、バンジョーおたくの鑑です...
(ブリッジをGary Sosebeeに交換)
YouTube - Gary Price Banjo RB-3 116-5 Round 5b
もう何が良いのやら、悪いのやら、もうサッパリ区別がつかなくなってきましたが...そこは乗りかけた船、最後までお付き合いさせていただきます。

 バンジョーおたくの鑑 ... 2013/2/6

Straight Line Tailpiecや超頑丈fiberglass caseで有名なGary Price氏の動く姿にはお目にかかることが無かったのですが、先日来よりYouTubeに、それもなんとも濃い〜ぃネタで登場してます。
自身の73歳の誕生日に手に入れたという1932年製 original flathead 5 string RB-3をわざわざバラして、自作のネックとFaulknerリングに一旦乗せ替え、それをまた元に戻していくという、一般から見ればなんともおバカな、でもマニアから見ればなんとも垂涎なことをやってくれてるんです。

まずは、そのまんま...
YouTube - RB3 116 5
つづいて、自作のネックとFaulknerリングに乗せ替え...
YouTube - Gary Price RB-3 116-5 Round2
そして、リングをprewar flatheadに元戻し...
YouTube - Gary Price Banjo RB-3 116-5 Round 3
結局、ほとんど元に戻っちゃいました。でも、ナットを取り替えたようです...
YouTube - Gary Price Banjo RB-3 116-5 Round 4
最初のクリップの音量の無さ(といっても充分なのですが...)の原因をナットと特定して交換したんでしょうか? 効果覿面ですね。

実は、最初に1本目と2本目を観たときには、Faulknerリングに替えたぐらいだから、1本目には今の新しいリングが乗ってた...つまりアーチトップからのコンバージョンだと思ってたんです。なので、「あれ?なんでFaulknerリングの方が音が良くないんだろう?」って思ってたんです。
ところがその翌日に3本目がアップされて、そこで初めて「この人は、prewarリング→Faulknerリング→prewarリングって乗せ換えテストしてたんだ!」って気が付いたんです。なので、やっぱり1と3の方が、2よりも良い音だと思うんですよね。

もっと言うと、1の方が3よりもベターに聴こえるんですが、これはネック等の要因よりも、録音場所の違いによる要因の方が大きいと思うので、あてにならないですよね。
ちなみにFaulknerリングとは、初期のbowtieとか、60年代の一部のRB800に乗っていたといわれる謎(?)のフラットヘッドリングで、prewarリングに準ずるとか準じないとか言われているものです。想像するにPrice氏は、Gibsonから「Faulknerリングだ」と言って売りつけられたリングがprewarリングと比べてどんなもんか?又、ホンマもんかどうか?試してみたということでしょうかね。

今後の展開もあるのかな?期待してます!

 マックピークのバンジョー弦が入手困難! ... 2013/1/22

私が愛用しているバンジョー弦「McPeake Unique Banjo Strings
昨年の秋口から注文し続けてるのですが、ずーっと在庫切れのようで...

Maybe they will come in soon.

の回答。それが昨年暮れには...

I still have not received any strings yet. There seems to be some problem with the Company.

となんだか、怪しい雰囲気に...どうやら、McPeake氏が製造委託していた弦の製造会社がfinancial problemsを抱えていて、生産が止まっているらしいとのこと。
先日、新年の挨拶を兼ねて、改めて尋ねたところ...

I believe that the string Mfg. Co. may have closed.

と、とうとう潰れちゃったみたいです。ここ数年、ずーっとこの弦ばかり使ってきたのに、もう手元には2セットしか残ってない。McPeake氏曰く...「Maybe I will have more info later.」とのことですが...いやぁ、困った困った!

以上、私以外のほとんど人には、どうでもよい情報でした( ̄ー ̄)

 Chris Hillのバンジョー ... 2012/6/22

Karl Shiflett & Big Country Show(KSBC)で話題のバンジョー弾き、Christopher Hill氏のバンジョー...見た目は1960年台のRB-250ですが、えらいエエ音してます。いったいなんぞや?ということで、ご本人に問い合わせてみました。
It's a 1964 rb250, mostly all original except for the tailpiece and the tuners. That's even the original head.

「That's even the original head」にはさすがにビックリしますねぇ(^^;

さて、KSBCの最新アルバム「Take Me Back」も届きました!
これで当分の間はKSBC漬けになりそうです。

 PBネックをRBに接木って!? ... 2012/5/16

Doug Dillard逝去の情報を探しに、久しぶりにBanjoHangoutを見に行ったら、こんなネタを見つけました。
PB-4 5-string conversion

なんとこのバンジョーのネック、prewarの4弦PBネックを5弦に「接ぎ木」したんだそうです!

neck converted from plectrum to 5-string by Chris Bozung (with grafts onto fingerboard and neck, virtually invisible grafts, exceptionally fine work)

この写真の大きさではなんとも確認出来ないし、かといってこの値段じゃ、取り寄せて確認する事ももっと不可能ですが(^^;
こんなこと出来るんですねぇ。ホント、びっくりしました

Doug Dillardといえば、真っ先に「Dixie Breakdown」が出てきてしまうような体たらくな私ですが、謹んでお悔やみを申し上げます。

Doug Dillard 1937-2012 - Discussion Forums - Banjo Hangout

 Interview with Earl Scruggs / Banjo NewsLetter 2006 Oct. & Nov. ... 2012/5/17

Banjo NewsLetter誌のウェブサイトに、2006年に掲載されたEarl Scruggsのインタビュー記事の全文がアップされています。
英語の苦手な人も(勿論私も)ブラウザの翻訳機能を使えば、とりあえずは読めますね。
是非!

Interview with Earl and Louise Scruggs, Oct. 2006

Interview with Earl Scruggs, Nov. 2006

かの有名なthumbpickのcut offの話も出てますね。
ちなみに、勿論私もcut off派です。

 EAT 18 HOLE TONE RINGのヒミツ ... 2011/12/8

ひと月ほど前から、Frank Neat Banjosのサイトに「TONERING」というメニューが増えている事に気付いてましたか?
早速見てみると、「18 hole tonering」ってある...なにこれ?

ということで、まずはFrank Neat氏に問い合わせてみました。
多分Blaylock製だろうと推測して、かまをかけてみました...

I want to get the information of your new 18 hole tone ring.
Is it made by Mr. Blaylock?
Do you have gold-plated or no-plated version?

するとすぐに返事が...

sorry ,we don't have any gold plated or un plated in stock but we can get them if you would like one.the gold plated ring cost $725 plus shipping

何を勘違いしたのか、金メッキ品の値段だけ伝えてきました(^^;
通常品($550)と比べても、また特別バージョン品である「J.D. CROWE BEARTRACKS」の金メッキ品($650)と比べても、かなり割高です。
ひょっとして、Blaylock製じゃないのだろうか?
再質問してみました。

Could you tell me more story of your new ring?
Who made it? What is the superior to other rings? etc...

すると以下のような返事が...

bill blaylock made it for us.we tryed some of them out first .all of them we've tryed are very good.when we saw how good they are we decided to let bill put our name on them.they are different from his regular tonering.

Blaylock製で間違いは無いけど、通常品とは何かが違うそうな。
何かって、なに?
製造元がわかったんだから、今度はBill Blaylock氏ご本人に問い合わせしました。

I saw pictures of the Neat 18 hole tone ring.
Frank told me the ring is made by you.
And it is different from your regular tone ring.
Could you tell me more story of the new ring?

その返事は以下のとおり...

We have been experimenting for about two years with this ring and the basic difference is the design .I noticed some differences in the way old prewar rings were made so we combined what we thought worked best in each ring into this one.This ring has a wider part (3/16 wide) that seats on the top of the wood rim.It also has more rounded top for the head to have more contact.The cutout on the inside is much higher,about 1 1/16 from the bottom of the ring.This seems to give more clarity and note separation.The ring is about 42 oz.I have them on my 33 TB 1 and it is a great sounding banjo.The 18 hole is just for Frank,I can't see that the holes has any effect on the sound.every thing about the fit to the rim is still the same as my standard long skirt ring.

(駄訳)
我々はこのリングで約2年間実験を続けています。そして基本的な違いはデザインです。
私は古い戦前のリングのそれぞれが製造された方法になんらかの違いがあることに気付いたたので、我々はこの一つに、各リングで最高の仕事を考えていたものを組み合わせました。
このリングは、ウッドリムの上面にぴったり合うより広い部分(幅4.7mm)を備えています。
また、ヘッドとより多くの接触を持つように、上部を丸めています。
内側の削り込みは(通常品より)より高く、リングの底面から約27mmです。
これにより、より音の清澄さと切れの良さを与えるようである。
リング重量は1.2kg程度です。
私は1933年製のTB1にそれを装着しましたが、それは素晴らしいサウンドのバンジョーです。
穴が18個なのは、フランクの要請によります。私には、その穴がどのように音に影響するのかはわかりません。
リムへの適合に関するあらゆる事項は、私の標準のロングスカート・リングと同じです。

なるほど...そういえば、Billは以前より、リング上部のR(曲面)形状を変えたり、内部の削り量を調整して重量を変えたりしたバージョンをプロトタイプとして作ってました。
それぞれのプロトタイプの良い所を、このひとつに放り込んだのがNEAT 18 HOLE TONE RINGだということのようですね。

でも、そのネーミングが「Blaylock Spacial Edition Tonering」と言うようなわけでも無く、また18個の穴を「フランクの趣味やから、わしゃ知らん」なんて言うところをみると、結構微妙かも(^^;
こりゃ、あくまでFrank Neatのオーダーに従った特注品と考えるのが正解なようですね。

でも、あのFrank Neatの趣味に叶った特注リングって...!?
やっぱり気になりますなぁ( ̄ー ̄)

さて昨日、この記事を書こうと、改めてFrank Neat Banjosのサイトを覗きに行ったら、何故か「TONERING」というメニューが消えている!
なにか問題が起こって、ラインナップから消されちゃったの?
あわてて問い合わせたところ...

the web site is down for now but i'm gonna send you some pictures of the rings.

...とのことで、送ってきたのが以下の画像です。
何の変哲も無いリングに見えますが、確かに穴は18個しか開いてまへんなぁ...!?

 ブリッジにて一考 ... 2011/11/29

先週の木曜日、京都宝ヶ池のホンキートンクにて、月例のブルーグラスジャム会が行われましたが、いつもは超絶ギター弾きのT中さんが、この日は何故かprewar Gibsonのスタイル11 バンジョーを持って来られてました。
このバンジョーは、前から何度も弾かせて貰ってるんですが、これが以前と比べてエラい良く鳴るようになってるんです。
特にレスポンスが凄く早くなってたんで、「一体どうしたの?」と問い質すと、ブリッジを某所で噂のAMB(American Made Banjo Co.)製に乗せ換えたんだとのこと。
勿論、某所の店長さんのセットアップの為せる業もあるんでしょうが、その変わり様に、ちょっとビックリしてしまいました。
そこで、はたと気がつきました。
ん?この音の傾向、はてどこかで聴いたような...ひょっとして!?

疑問を抱えたながらも、その音の特徴と、どこにもマークの無い「のっぺらぼう」な外観を頭に焼付け、家に帰ってすぐに自分のバンジョーを調べました。
すると、そのうちの1本、Neat Banjoにもどこかで見たようなブリッジが乗ってるではあーりませんか!
裏表のどこにもマークが無いとはいえ...かえって、そのマークが無いのが証拠とも言えますが...グローバー型のノーマルな形状ながら、テイルピース側に傾斜した横顔といい、そして一番の証拠がその音の傾向!
枯れたクリアーな音...こりゃ間違いないです。

このブリッジ、2008年6月にCharlie CushmanにNeat Banjoへのno-hole Dannick toneringの装着&セットアップを頼んだ際に付いて来たもので、彼に「これ、何のブリッジ?」って尋ねたら「Cushman Bridge」って、しらーっと返事してきたブリッジです。
その頃の彼の仕事関係から見て「多分AMB製だろうなぁ...暫く経ったら彼の冠付きで発売すんのかなぁ...」などと思ってたんですが、それ以来そんな商品も発売されずに、そんなこともスッカリと忘れていたのでした。

でも、一度気になったら、もう確かめずにはいれません!
ダメ元で、例の某所の店長に「...ということで、多分同じもんだと思うんですが、如何でしょうか?」と尋ねてみました。
すると、あっさりと「そうですよ」とのお答え。
店長曰く「いっぺんだまされたと思ってだまされて下さい。」
騙されるもナンも、もう何年も前から、えーブリッジである事は実感済みでございました。

McPeakeのLightning Bolt bridgeも似たような傾向を持ってますが、こちらの方が趣味のよさを感じますね。
Lightning Boltはちょっとキツイ?エグい??
(あくまで個人的な感想&表現でございますのでご容赦の程...ちなみに私、エグいのも好きです(^^)b)
まぁ、どちらもお奨めなブリッジではあります。

とにかく図星とはいえ見事に「ぴったしカンカン」だったわけで、まさにエラリークイーン著書中の「読者への挑戦」でズバリ犯人を当てたかのような爽快感を味わっている今日この頃でございます。

 箱根フェスで凄いレポート発見! ... 2011/9/5

BanjoManiacsBBSの住人さんは既にご存知かと思いますが、先日(2011年8月26日〜28日)の箱根フェスに関する凄いレポートを発見しました。なんと、土曜日の午後5時20分から終演2時30分までステージに張り付いて、その間に出演した全てのバンジョー弾きにインタビューされたんだそうです。しかも、実際にその時に弾いていた楽器の写真入です。

開けてもいいですかのブログ - Yahoo!ブログ

いやぁ、只々凄いの一言です。確かに私も「レモンスライス・アルバムバンド」の演奏後に筆者のヲガワさんにお会いして、ご挨拶させていただいたのですが、その際の内容も11時台のレポートに記載されてます。

箱根フェスで見られたバンジョー 11時台

同じ11時台に登場された有田さんのKentuckyバンジョーの内容も大変興味深いですね。他にも興味深いネタが満載で、とにかくヲガワさんには脱帽です。しっかりとバンジョーおたく道を邁進しておられますなぁ... それに引き換え、私はすっかりサボりぎみでございます。いたく反省m(_._)m

 サムピックの曲げ方 ... 2011/4/19

私の親指は女性並、ひょっとすると女性よりも細いかもしれません。そこで、普通に売っているサムピック(Mサイズ)では緩いどころではありません。時々小さいサイズ(Sサイズ)も売ってますが、大概、サイズに合わせてなのか、ペラペラで使い物になりません。ラージサイズ並の重厚さで、尚且つアーチの小さいサムピックが欲しい!...といっても売って無いので、しょうがないから自分で作りましょう(^^)b
方法は、セルロイド製を熱湯で加工します。

まずは市販のピックの用意ですが、流石にラージサイズのピックはデカ過ぎて細工も聞かないので、ここはMサイズで我慢します。サイズが小さくてそこそこ厚い、そしてよく楽器屋で見かけるTakamineのべっこう柄セルロイド製がお奨めです。
多分、1個では思ったとおりの形にならないでしょうから、複数個用意しましょう。3個ほど加工して、狙い通りのものが1個出来れば良しとしましょう。
最初に、どれぐらいアーチを縮めれば良いかを、実際に矢印方向縮めてみて算段します。少々ならそのままで良いですが、大きく縮めると、B部が高くなってしまって、かえって緩くなります。その場合はあらかじめ、A部を少しカットしておきます。少しねじって、爪きり等を使えば、簡単にカットできます。

次に、ヤカンでお湯を沸かします。ヤカンは、注ぎ口が細くなっていて、お湯が細く注げるものがベターです。無い場合は...まぁ、片手鍋でもどうにか出来るでしょう。
そして、十分な量の冷却用の水を用意します。蛇口から水を出しっぱなしにしても勿論良いですが、環境の面から考えると、如何なものでしょうか?ちなみに私は、蛇口派です。(オイオイ...)

では実際に加工してみましょう。
指の安全の為、ピック先端部の極力先っぽを左手指で保持します。左利きの人は、右手指でも結構です。

そしてヤカンより、沸騰した熱湯をB部のみに注ぎます。ここでのポイントは、決してC部に掛けてはいけません。勿論、ピック直線部や先端部に掛けるのは論外です。そのためには、熱湯を細く絞る細心の注意が必要となります。

3秒間も掛けてやれば十分にピックは柔らかくなるので、ヤカンを置き、すかさずピックのアーチ部を矢印方向に曲げてやります。ここでアーチ部内に実際の親指を入れてやれば、曲げ過ぎの防止にはなりますが、逆にこれでは十分にアーチを小さくする事ができません。ここはフリーハンドで、思いっきり曲げてやりましょう。
(勿論、何事も限度と言うものはあります...)

またまたポイントです。数秒間保持してやれば、アーチは小さくなったままになりますが、この部分が十分に冷えるまでは、元に戻ろうとする力が働きます。そこで、これを保持したまま冷水の中に浸します。念のため、10秒ほどはそのままにしてやりましょう。

実際に親指に嵌めて、具合を確認します。不十分な場合は、再度加工します。

さて、十分にキツイのに、何故かしっくりこない場合があります。これには理由がふたつあります。まずひとつ目は、A部の隙間が大きく開き過ぎている場合です。この場合は、C部のみに熱湯を掛けて、B部を下方向に押しやったまま冷却します。こうすると、A部の隙間は小さくなります。出来れば隙間がなくなるようにしましょう。

ふたつ目は、A部が矢印と反対方向に開いている場合です。この場合は、A部のみに熱湯を掛けて、厚いうちにアーチ内に人差し指を差込み、これに巻きつけるような塩梅でA部を矢印方向に曲げます。

これで一層フィット感は増すはずです。

最後に、このピックを使って、実際にバンジョーを弾いてみましょう。十分にフィットしているはずなのに、何故かピックが回ってしまう、あるいはズレてしまう方、それはピックのせいではなく、指に十分な潤いが無いからかもしれません。ピック内部に傷をつける、松脂をつける等の対策はありますが、まずは指を十分に保湿する方がよいかもしれませんね。

そんなところです(^^)/~
くれぐれも「3個ほど加工して、狙い通りのものが1個出来れば良し」をお忘れなく。

不明な所がありましたら、フェスやライブでお声掛け下さいませ。手取り足取り伝授させて頂きます...(゜゜)\☆baki

 EarlのGranadaは1934年製だったはずが ... 2011/2/18

プリウォー・ギブソン・バンジョーのシリアル番号と製造年を調べるには、以前はTom Biggs氏のページが有名でしたが、氏のページ無き後は、以下のページが便利でしたよね。

The Banjo Philes / Pre-war Gibson Banjo Serial Number Listing

ところが先日、このページを久しぶりに覗いてみると、確か「1934年」製だったはずのEarl Scruggs(#9584-3)やSonny Osborne(#9584-2)のGranadaの製造年が、「1930年」に変わっています。他のシリアル番号の製造年も、それぞれ4年程度前に変わっています。
いったい、いつの間に!?

この件で思い当たることがいくつかありました。


【その1】

例のジム・ミルズの戦前ギブソン本の最初に出てくる「The Willie Bivens RB-3」と言うバンジョー、これがシリアル番号「9602-1」なのに「1931年7月27日」の伝票が付いてた。 それまでは、「9602-*」であれば1934年製造というのが通説だったから「いったい何ぞや!?」ということになった...



ひょっとして、これが原因で、これまでの定説がひっくり返っちゃったのかも...


【その2】

Greg Earnest氏のサイト「Prewar Gibson Banjos」の全てのバンジョーの製造年が書き換わっていた。


Prewar Gibson Banjos/Gibson banjo list by year

このページにリンクする解説
を見ると、どうやら、Joe Spannというギブソン研究家(?)の影響で年号を変更したようだ。 そういえばこの人、しばらく前からBanjoHangoutに頻繁に登場していた...


と言うわけで、この筋のキーマンに問い合わせてみました。

まずは、「Prewar Gibson Banjos」のGreg Earnest氏からの返事です。


Greetings! You ask a good question. The answer lies in research that has been done by Joe Spann in Florida in the preparation of his book on Gibson which will be published this summer. It will be by far the most comprehensive work ever done on Gibson in the pre-World-War-II period.

It turns out that the chronology for prewar Gibson banjos that we've all accepted for so many years has been off by three to five years. It was based largely on a published comment by a veteran Gibson employee in the 1960s that the one-piece flange and flathead tone ring were introduced "about 1932". This statement was taken as the truth and the rest of the chronology was built around it. The problem is that this employees recollection, as you might well imagine thirty or forty years after the fact, was off by a few years. By analyzing original Gibson records and cross-referencing them with known instruments with dates bills of sale and with contemporary sources such as Music Trade Review magazing, Joe has determined that the introduction of the one-piece flange and flathead tone ring actually took place in 1929. The banjos in the 9580s were produced in 1930.

The evidence for this has been right in front of our noses for many years, in the form of dated bills of sale that seemed to be to early for the banjos to which they corresponded. There's a discussion of this in the Jim Mills book with RB-3 #9602-1 having an original bill of sale dated June 27th, 1931.

I hope this makes sense. . . Joe's book will revolutionize our understanding of these instruments.

Greg



要するに、この夏にギブソン社に関する本を出版予定のジョー・スパン氏の研究に基づき、それまで定説だった製造年が3〜5年繰り上がったとのことです。彼の研究によると、ワンピースフランジとフラットヘッドトーンリングの導入は1929年(これまでは1932年が定説だった...)になるようです。その証拠が、ジム・ミルズの本に登場する、1931年6月27日付の売渡証を持っているRB-3 #9602-1だとも。
なので、アールのグラナダを含むシリアル番号9580台のバンジョーは、1930年に生産されたとなるわけですな。

では、その証拠である、1931年6月27日付の売渡証を持っているRB-3 #9602-1の登場する例の本の著者であるJim Mills氏に、くらま楽器の吉田様から問い合わせていただきました。
以下は、吉田様ご提供の、Jim Mills氏からの返事です。


There have been several new discoveries made concerning dating Pre War Gibson banjos, in just the past few years.....and this comes mainly from actual factory shipping records found, and also from several original Bills of Sale found.....and it has caused us to rethink the entire way we dated these banjos for all these years.....these are factual records which cannot be doubted, therefore they are changing many previously dated banjos.... as far back as you said..... 4 or 5 years in most cases....

I hope this helps you to better understand.....


Thank you again.

Sincerely, Jim Mills



なるほど...しかし、こりゃこれまでの定説を唱えていた重鎮どころは黙ってないのでは!?
...ということで、その重鎮どころ、Curtis McPeake氏からの返事です。案の定、Greg Earnest氏の論と全く反対でした。


I do not agree with most of the data in "Banjophiles" I know the man that decided to alter many of the dates of the banjos and I totally disagree that it is correct. I have in my possession a blueprint of the one piece flange. It is not a copy but is a real blueprint from Gibson. The print is dated Oct. 1929. How did they go from a blueprint to building all of these banjos in next few months. This makes no sense to me.
Regards,
Curtis



要は、彼はジョー・スパン氏の研究結果に同意しない、そしてその証拠は、彼が所有する、1929年10月の日付がついた、ワンピースフランジのオリジナル・ブループリント(図面)であると言うことですね。1929年10月からその年末までの3ヶ月足らずで、あの年表にある様な大量のバンジョーは作れっこないと...こりゃ、真っ向勝負ですな(^^;

ジム・ミルズの本の「RB-3 #9602-1」か、それともオリジナル・ブループリントか...
さて、あなたはどちらの肩を持ちますかな?

 ジム・ミルズの本にも登場したバンジョー「African Queen」 ... 2011/1/14

ジム・ミルズの著書「Gibson's Original Mastertones: Flathead 5-String Banjos of the 1930s-40s」にも登場した、彼のコレクションのひとつ「African Queen」(no hole original five string flathead 807-3)はこんな音がするんだそうな...
Banjothon 2011 Pickin' on the African Queen.MOV
Banjothon 2011 Scan of the room.MOV
Banjothon 2011 Gene Knight, Joe Spann and the Boer Hog.MOV
Banjothon 2011 Jim Mills with the latest RB75 discovery .MOV
特にこれにはビックリ!「only the original tone hoop」ってことは、トーンリング無しで、こんな音が出ちゃうんですよ!!う〜ん...
Banjothon 2011 Jim Rollins on a TB1 conversion with the original tone hoop.MOV


 Gibson PB-3 Mastertone #9580-5 ... 2010/12/1

戦前のギブソン・マスタートーン・バンジョーを集めたサイト「Prewar Gibson Banjos」の運営で有名なGreg Earnest氏が、自身も二十数年来の夢であったオリジナル・フラットヘッド「Gibson PB-3 Mastertone #9580-5」を手に入れた模様です。
11月の半ばに自身のページに掲載したものを、結局自分が買っちゃったんですね。

Gibson banjo PB-3 Mastertone #9580-5

現在、フランク・ニート氏にネック製造を依頼中との事ですが、とりあえず知人のグラナダ用リプロ・ネックを借りてセットアップした直後に、彼が初めて弾いた際の様子が動画でアップされています。
First Play on Vimeo
まぁ、なんとも幸せそうな表情だこと。
きっとprewar flatheadを手に入れた時には、皆こんな顔になっちゃうんでしょうねぇ...
皆さんも、もしもの時はご参考に(^^)/~...ンナーコタァーナイ

しかし、フォギーのエンディングの一音、この↓クシュマンの1940年製RB-75のとおんなじ音でんなぁ。
ああっ、うらやましや〜ぁ...

Charlie Cushman's RB-75 and Curtis McPeake's "Ole Betsy"

 Jim Burlile's Cam D-tuners ... 2010/7/16

アール・スクラッグスが1952年に考案した2弦と3弦を素早くチューニングダウンして、オープンGチューニングからDチューニングに変える道具、いわゆる「Dチューナー」には、これまでもキース、シャーラー、アグリー、チーターキー(これは購入に至らず...)と色々試してきましたが、とうとうその究極形とも言えるものに手を出してしまいました。つまり、ペグヘッドに穴、開けちゃったんです(^^;
Jim Burlile's Cam D-tuners

伝説のバンジョー・グル、カーティス・マックピーク所有の、これまた伝説のバンジョー「Ole Betsy」に装着されているウォルト・ピットマン作のカムタイプ・Dチューナーを、超高級(高額?)バーライル・トーンリングの作者、ジム・バーライルが完全再現したものです。
昨年の秋ごろに、チャーリー・クシュマンが、彼のステージでのメイン楽器、1933年製 PB-3 オリジナルフラットヘッドにカム式のDチューナーを装着しているのを発見。早速彼に問い合わせたところ...

The cams are made by Jim Burlile. They are copies of cams made by Walt Pittman (deceased) from California, USA. Scruggs used these cams by Pittman in the mid-1960's.

とのことでした。なんと、スクラッグスもこのタイプ(初期のものでなく)を使っていたんですね。これを読んで、猛烈に物欲が沸いた事は言うまでもありませんが、如何せん、大事なネックのペグヘッドに穴を開けるなんて、決心が付く筈がありませんでした。
ところが先日、某ブルーグラス系通販会社(某Mとも言う...)の社長さん所有のリーッシュRB-3に装着されているHooper D-tuners(これもペグヘッドに穴を開けるタイプ)を久しぶりに触らせて頂いたところ、あのペグを下げる時の「カクン!」という感触が忘れられなくなってしまいました。

で、穴、開けちゃいました。昨年の12月に新調したばかりのNeatのネックに...
あるべきじゃないところに開いた穴、そのままではなんとも間が抜けてますねぇ。早速、cam D-tunerを装着しました。
エエ感じです。やはりこの使用感は、ペグヘッドに穴を開けないと得られない!と言い切っちゃいましょうかねぇ(^^)b しかし、意外とクセがあるようで、快適に使いこなすにはコツがいるのかも知れません。特に、ペグを動かすのが意外と重いと言うか、固いと言うか...そのうえ、ペグのダウン側(チューニングを下げた側)の止まり位置が一定しません。これは1-2弦側の方が顕著なのも気になります。
う〜ん、こんなもんなのかなぁ?...と心配になってきたので、装着後の写真を製造元のBurlile氏に見てもらいました。
すると、購入時には...

The mounting of the tuners in the peghead is actually pretty easy, they go half way between the tunning pegs on the peghead and as close to the edge of the peghead as possible without going over the edge.

要は「1〜2弦および3〜4弦各ペグ間の中央」などという簡単な指示しかくれなかったくせに...

From what I see in the pictures they are to far in toward the center of the peghead. It looks like it is about 1/8 inch in to far.

おいおい、何を今更(-_-; 確かに「as possible without going over the edge」とは書いてあったけど、そんなに重要な事なら「actually pretty easy」なんて書かずに「*** Important! ***」とか書いてよぉ〜っ!

まぁ、普通ならここで諦めるんでしょうが、皆さんご存知のとおりのバカな私は、早速穴を埋めて、そうしてもう一度穴をあけましたとさ。
結果はオーライっ!変更前よりもカムはスムーズに動き、ちょっと感じていた引っかかるような違和感も解消されました。
よかったよかった。
ポイントは、カムをオフ(チューニング・ダウン)した際に、如何に弦からのテンションを最小にするかにあったようです。これは現物を見ながらでないと説明が難しいのでですが、テンションが過度にかかったままでは、オフ側の位置も決まらなかったようです。

しかし、購入半年後のまだまだ新品のネックに穴開けて、すぐにそれを埋めて、そんでもってまた開けるなんて...我ながら呆れるばかりですわ(^^; 付き合ってくださったルシアーのJさん、本当にご苦労様でした。

 prewar Gibsonスタイルのリゾネータ構造 ... 2010/6/3

prewar Gibsonスタイルのリゾネータ構造を再現している事では、Steve Gill(Gill Manufacturing)のPre-War Construction Resonatorsが有名ですね。ちなみに画像左が近年の普通の構造で、右がPre-War Constructionになります。
 
では、ChiefやNeat等の多くのバンジョーで使われているCoxのリゾネータはどちらの構造なのでしょうか?ChiefやNea banjoの製作者であるFrank & RickのNeat親子に聞いてみました。

まず、Gillの構造を見て「very similar to gibson prewar」と認めた上で...

The cox resonator has the popular in the back of the resonator but the sides are maple construction with whatever type of veneer you want on the outside. They are very well built.

「コックスのリゾネータは、その背面部にポプラ層を持ちますが、あなたが外側にどんな種類の突き板を指定しても、側部はカエデ材による構造です。それらは、非常にがっしりしています。」

と言うことでした。なぁるほどぉ...
さて、この構造の差は、音にどんな影響があるんでしょうねぇ?

 バンジョー・ヘッドのチューニング ... 2010/4/20

Mel Bay Artist Interview seriesにて、Charlie Cushman氏がバンジョーのヘッドのチューニングについてノウハウを披露しています。 ヘッドを叩くのではなく、指の腹で軽くこすって音を出す方法なのですが、このクリップを見ると、本当に「A」の音に聞こえますね。 彼が言うには、マホガニーは「A」で、メイプルは「G#」にチューニングするんだとか...
YouTube - Charlie Cushman Interview
ちなみに彼がこのクリップで弾いているPrewar Gibsonは「'33 PB-3 Wreath flathead with a Frank Neat neck, and Chrome Style 4 PW hardware」そして新しい方は、American Made Banjoの「Charlie Cushman Signature Series 5 String Kel KroydonR Banjo」です。

 ネックの長さがいろいろ!? ... 2010/3/3

昨年の暮れのお話しです。

GB-3のランディ・ウッド作メイプル・ネック、写真(左)のとおり、見た目は綺麗なのですが、どうも弾き難い。太いわけじゃないんですが、親指で5弦が上手く押さえられない。左右のバランスが悪いのかしら?。。。なんて気にしながら使っていてもしょうがないので、思い切っていつもの(^^;フランク・ニート氏に新調してもらいました。(写真中央)

材質は約10年前に伐採されたインディアナ州産のカーリーメイプル製だそうで、指板はブラジリアン・ローズウッド製です。元のネックは、1960年台のスクラッグスのグラナダに見られたH&Fインレイ(第1フレットにインレイ無し、第15フレットにインレイあり)でしたが、新しいネックは標準的なグラナダのH&F(第1フレット、第15フレットにインレイ無し)で作ってもらいました。

さて、新旧2本のネックを並べて(写真右)みて気が付いたのですが、この2本のネックの長さが違うんです。ちょうどひとフレット(22フレット目)分の長さ程、ランディ・ウッド作の方が長いのです。

ちなみにフランク・ニート作のネックは「26 1/4" scale」と言うことになってますから、約667mmですな。(ここでいうscaleとは、ナットからブリッジまでの長さになります...)
さて、ではランディ・ウッド作の長さはどんなものか測りましょうかね。。。ん?あれれ??この場面、どこかで見たと言うか、何かで読んだと言うか???

はい、ここで思い出しました。そういえば昨年の初めに、くらま楽器の店主さんが、某所でこんなことを書いてました。

「レコキンさん、ギブソンとフランク・ニートのネックのスケールの違いを説明するあなた..これが今年の初夢でした。」

うわぁ、正夢だぁ〜っ!くらま楽器の店主さん、恐るべし。。。(^^;

さて、当の本人である、フランク・ニート氏に「なんであなたのネックは短いの?」と尋ねてみました。
その回答です。

We use a shorter scale than gibson. This makes the banjo note out true. J.D.crowe and Sonny Osborne both use our scale.

「note」を「音調」と理解するか「音色」と理解するかですが、まぁ、要するに。。。

「うちらはギブソンよりも短いスケールを使ことるけど、こっちの方がええ塩梅やし、JDやソニーも喜んで使ことるんやから、ええんちゃうの?」

。。。といった感じでしょうか(^^)b
前出のくらま楽器の店主さんによると、カーティス・マックピーク氏がニート作のネックについて、

His regular neck is shorter than Gibson by about 1/8".

と話していたそうで、つまりこれは、「より正しいピッチ(特に12フレット以降)、フレッティングを得る為に割り出されたスケール」だと言うことだそうです。なぁるほどぉ。。。
ちなみに、私所有のニート作のネックは全て、ナットから22フレットまでの長さを実測すると「478mm」、オリジナル・レコキンは「482mm」で、ランディ・ーウッド作が「491mm」となりました。
さて、あなたのネックの長さは?

 インドのブルーグラス楽器事情 ... 2009/11/16

現在インドに駐在なさっているT様より、珍しいインドでのブルーグラスと楽器事情についてのお便りをいただきました。

*****

現在、私は仕事の都合で、インドに駐在しています。
土曜日も仕事をするのですが、今日は、ネットを見ていて、そちら様のサイトに行き当たりました。
私は、名古屋出身で、中学生の頃から、ブルーグラスを聞いたり、バンジョーやギターをいじくって参りました。
こちらでは、ブルーグラスは、皆無で、まさに不毛の地です。 それに、私は、カレーが大嫌いだから困っております。
ブルーグラス関係のMP3をハードディスクに入れて持参しておりたまに聞いて、うさばらしをしております。
そうそう、先週でしたが、当地のいわゆる楽器ストリートってのがありまして、そこでインド製のギターを買いました、約5000円でしたが。
ブランドは、何と”Grason”となっていました。 他に”Givson”ってのもありましたが。Bじゃなくて、Vですが。
日本製と推定されるヤマハとかもありました。どこで作っているかはわかりませんが、Ibanezもかなり出回っておるようでした。
Banjoは、見あたりませんでした。時間があれば、また探してみようかと思います。
今後とも、貴サイトを楽しませていただきます。
***

インドなのに「カレーが大嫌い」だって、なんと運の悪い...大爆笑ですね。(ゴメンなさい...)「Grason」や「Givson」も大受け!是非ともGivsonのバンジョーを探し出していただきたいものですね。

また、インド製ギターの追加情報が届きました。

***

インドの安物のギターの場合は、フレットには、真鍮の丸棒をヤスリで削って、かまぼこ型にして埋め込んでいます。 丸棒に対して、直角というか、90度の方向にヤスリをかけているので、フレット自体が、ヤスリの状態のままであり、弦をチョークすると、ヤスリの上で、弦をこする状態になり、ギシギシという素敵な??!!音がします。

***

あれあれ(^^;でもあと何年かしたら、New Recording Kingもインドで作ってる、なんてことになってるかも...
ちなみに「インド バンジョー」でググると、何故か大正琴の絵が出てきます...何故!?


「後日談」
東京在住のルシアー H川様が、上のレポートにも出てくるインドの楽器メーカー「Givson」のウェブサイトを見付けてくださいました。

Givsonのページ

トップのページから辿ると、何故か「Product > 8-String Acoustic Mandolin」に分類されている「G.B 10 SYNTHETIC BANJO」が見つかりました。しかし、なんなんでしょうねぇ、この怪しい雰囲気(^^;特にTopの材質の「Synthetic」って一体なんじゃろ?
ということで「Synthetic」を辞書で引いてみたら「合成品」という意味の他に、もうひとつの意味が...「模造品」

自ら言い放つとは、なんとも潔いこと(-_-)/~

 タルボットのニートバンジョーの行方 ... 2009/9/22

↓の「後日談」もあわせてご覧下さい。

昨年12月にこちらでアナウンスした、David Talbotの特注Neat banjo「売ります」の件ですが、結局こちらではお問い合わせなし。どうやらDave個人では捌けなかったようで、以降Elderlyに委託されていた所まで追跡出来ていたのですが、以下のとおりすぐに売れちゃったようで、その後は不明。

FRANK NEAT CUSTOM BANJO (2007) (70U-3229) - Elderly Instruments

ところが昨夜、Youtubeを見ていたら、思わぬ所で見つけてしまいました。
YouTube - Michael Cleveland and Flamekeeper on WAMU's Bluegrass Country


このクリップの2分19秒あたり、例のNeat custom banjoの特徴のひとつ、21フレットの「∞(インフィニティ)」ブロックがバッチリと写ってます。
Michael Cleveland and Flamekeeperの新しいバンジョー弾き、Jessie Bakerが買ったんですね。しかし、エー音してますやん。私も含めて「しまった!」とお思いの方も多いのではないでしょうかね(^^;

さて、私のアイドルで、難病「dystonia」のせいでプロとしてのバンジョー演奏を断念したTom Adamsがギター弾きに転向して、この夏からこのバンドに加入したのですが、このクリップでの「Homerun man」や「My blue eyed darlin'」を聴くと、いやぁなかなかエエですやん。予ねてのバンド仲間や、Tomの再来のようなハードドライビングバンジョーを弾くJessieに囲まれて、Tomもホントに幸せそうです。目の離せないバンドがまたひとつ増えました(^^)b
「後日談」
張本人のJessie Bakerにも連絡が取れたので、このバンジョーについて聞いてみました。すると...

My banjo is one of two. Dave Talbot owns one and I own the other one. That's what Frank told me when I bought the banjo two years ago. I got it new.

なんと、Daveの持っていたNeat banjoとは瓜二つならが、双子のバンジョーのもう一方だったんですね。この話をDaveに伝えたら、彼はこれを全く知らなかったようで、ビックリしてました。Dave曰く...

Come to think of it, I believe this might be another neck that Frank had built originally for me but it was heavier than I liked, so Frank built a slimmer neck. So the first neck he built ended up on a banjo that Jessie bought. That would explain it.

なるほど、それなら説明がつきますね。
これにて、一件落着!


「後々日談」
タルボットのニートバンジョー、なんと日本にて見つけました!
詳しくはMy Friend's Banjosにて...


 フランク・ニート作のネックの見分け方 ... 2009/9/19

とある方よりお問い合わせがありましたので、これに便乗してネタにさせてもらいます。但し、あくまで私が目にした数限りあるサンプルからの見分け方ですので、製作時期や特注等の注文ルートによってはデザインが違う場合もあると思います。そこんところはご了承くださいませ。

Flying Eagleインレイ
Flying Eagleの特徴は、10フレットのインレイの真ん中の「V」形の深さで判ります。Frank Neat作は他と比べて「V」が深いのです。
画像の下がFrank Neat作です。

Leaves & Bowsインレイ
Frank Neat作のLeaves & Bowsは全体的にインレイが幅広(大造り)です。特に22フレットのインレイの大きさが特徴的で、指板一杯に広がってます。
画像の下がFrank Neat作です。

これらは、あくまで「傾向」なので、ご参考までお留め下さいませ。
Hearts & FlowersやWreathパターンインレイについては、未だ見分け方が解りません。お気付きの方がおられましたら、ご教授くださいませ。

 久しぶりにトーンリング測定 その4 ... 2009/9/10

Huber no-hole nickel plated flathead tonering
尼崎の御大ことK様よりお借りした、Huberではめずらしい穴の無いリングです。サイズはプリウォー・ロングスカートサイズで、多分、特注品なのではないかと思います。このリングを一言で表すと「う〜ん、ダイナマイト!」なリングですな。

Blaylock no-hole ringの項にもあげたno-hole特有のキャラクタが、このリングでは特に顕著に見られました。テストで装着したRecording-king(neck:original, rim:style-1, reso:style-3)の音量は正しくダイナマイト!バンド練習で使ったら、ボーカルから「自分自身の声が聞こえない」とお叱りを受ける始末。しかも、音が暴れる為、バックアップロール等では(私の技量では...)うまくコントロールできません。結局、このリングは外してしまいました。

この結果をK様に報告した際の我々の一致した意見...昔は「とにかく大きい音が欲しい」って言ってたのに、贅沢になったもんだなぁ...はい、正しくそのとおり(-_-;
私は残念ながら討ち死に(^^;しちゃいましたが、右手のコントロールに自身のある方は是非このリングにトライしてみてください。
Huber no-hole nickel plated
リム上面との接合部の内径(K) 241.18
リングの内径(L) 275.45
リングの外径(M) 279.25
リム上面との接合部の高さ(N) 19.98
リングの高さ(O) 30.36
skirtの長さ(N-O) 10.38
重量(g) 1342.2
                                (重量を除く寸法値の単位:mm)
今までに登場したトーンリングの計測値の一覧表はこちらです。

 久しぶりにトーンリング測定 その3 ... 2009/8/26

Gibson early 1960's 20 hole nickel plated flathead tonering
1960年代初期のギブソンRB-100とかRB-250に搭載されていたであろう、20穴でニッケルメッキのフラットヘッドリングです。サイズはプリウォー・ロングスカートサイズのようですが、リングの内径や高さが微妙に違いますね。

同じ1960年代のギブソン・フラットヘッドリングでも、3種類ほどに分類されるそうで、その中でも初期の物は「良い」とされているそうなのですが、BlaylockやDunnick等のおなじみのプリウォーリングクローンと実際に比較テストすると、音量、音の深みや華やかさにおいては劣ると言わざるを得ませんでした。
Gibson early 1960's 20 hole nickel plated
リム上面との接合部の内径(K) 241.07
リングの内径(L) 275.10
リングの外径(M) 279.40
リム上面との接合部の高さ(N) 21.38
リングの高さ(O) 31.82
skirtの長さ(N-O) 10.04
重量(g) 1562.0
                                (重量を除く寸法値の単位:mm)
今までに登場したトーンリングの計測値の一覧表はこちらです。

 久しぶりにトーンリング測定 その2 ... 2009/8/24

Blaylock no-hole un-plated un-buffed tonering (butch number : 807)
おなじみBlaylockトーンリングですが、穴なしでメッキなし、おまけに仕上げのバフ掛けまでなしという珍しいバージョンです。通常はメッキ前の仕上げ加工としてバフ掛けをするので、メッキ無しでも表面はツルツルピカピカになるのですが、このリングはその工程を省いているので、表面は機械(旋盤)加工をしたまんまの状態です。Bill Blaylock氏も詳しくは教えてくれませんが、その表面の色からみると何らかの酸化皮膜処理(oxide coating)を行っているようです。

音に関してはno-holeのキャラクタが色濃く現れ、音量・サスティーンは豊富ですが、弾き方によっては音が少し暴れる傾向があり、コントロールするには少々注意が必要かもしれませんね。でもコントロールできた時には、音の表現幅が広がることは間違いなし...と私は思いますが、真偽は如何に!?

サイズは一般的なBlaylockリングと同じくlong-skirtサイズです。
Blaylock no-hole un-plated un-buffed #807
リム上面との接合部の内径(K) 241.12
リングの内径(L) 275.56
リングの外径(M) 279.19
リム上面との接合部の高さ(N) 20.18
リングの高さ(O) 30.22
skirtの長さ(N-O) 10.04
重量(g) 1398.8
                                (重量を除く寸法値の単位:mm)
今までに登場したトーンリングの計測値の一覧表はこちらです。

 久しぶりにトーンリング測定 その1 ... 2009/8/20

「バンジョーおたくなパーツの部屋 その1」のCroweリング以来ですから、かれこれ3年ぶりぐらいでしょうか?超お久しぶりのトーリング測定です。
再開第一回目は、現在(2009/8/20)「売ります」に出品中の「Dannick tone ring 20-hole gold-plated long skirt」です。
マサチューセッツ工科大学でプリウォーリングを分析して再現されたという、American Made Banjo社製のトーンリングです。

http://www.americanmadebanjo.com/dannick.php

シリアル番号は「35」で、American Made Banjo社のThomas Mirisola氏によると、2007年6月23日製造の2007年8月第一週目に出荷されたものだそうで、プリウォーサイズにカットされたウッドリムに勘合する「ロングスカート」サイズに加工されています。
また、このリングの前のオーナーは、ソニー・オズボーン氏です。自身のバンジョーブランド、Osborne Chief banjoへの装着テストの為に入手した物のようで、氏曰く...

If you prefer a sharper, brighter sound, such as an RB4.. the Dannick would serve you well. However the Blaylock produces a tone more like my Granada.
They are both great tone rings.

...だそうで、結局彼の選択は、勿論more like my GranadaなBlaylockだったようです。

私も自身の
Chief maple banjoでBlaylockとDannickを比較してみましたが、確かにDannickの方がボリュームがあり、音の立ち上がりが鋭く(特に1弦)感じました。また、ハイポジションにおいても音の痩せが少なく、12フレット以上でも非常にしっかりとした音が出ます。対してBlaylockはSweetな音色が魅力ですね。19フレットあたりの音がDannickに比べて音痩せする様にも感じますが、かえって鈴が転がるようにカワイイ音とも言えます。

このように、このふたつのリングの評価は好みで大きく分かれると思いますし、またオズボーン氏の言う所も良く分かる気がしますね。結果的には、私も「ChiefにはBlaylock」派でした(^^)b
Dannick 20-hole gold-plated long skirt
リム上面との接合部の内径(K) 241.21
リングの内径(L) 275.77
リングの外径(M) 279.50
リム上面との接合部の高さ(N) 20.16
リングの高さ(O) 30.44
skirtの長さ(N-O) 10.28
重量(g) 1342.00
                                (重量を除く寸法値の単位:mm)
今までに登場したトーンリングの計測値の一覧表はこちらです。

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