recokin's room



バンジョーの部屋

 バンジョーおたくなパーツの部屋その3はこちらです。

 私の駄文がムーンシャイナー誌1999年9月号に載りました。

 私の駄文がムーンシャイナー誌2010年8月号・9月号に載りました。

 私の駄文がムーンシャイナー誌2011年5月号に載りました。


*枠に囲まれた画像をクリックすると、別ウインドウにて画像を拡大、あるいは動画の再生を始めます。


<<<現在所有しているバンジョー>>>

 Neat Kentucky #21(2007年

neat_incaseneat_frank

2007年8月にフランク・ニート氏よりカスタムオーダーで購入しました。
フランク・ニートによるネックとジミー・コックスによるリゾネータは共にマホガニー材製で、トーンリングはビル・ブレイロックと、材質を除けば、上記のOsborne Chiefと同様のラインアップですが、フランジがコックス製からグレッグ・リッチ供給の物(つまりNewレコーディングキングに使われているのと同じ物)に変更されていました。
カスタム箇所は以下のとおり。

-Brazilian rosewood fingerboard
-Style4 flying eagle inlay ...not Reno pattern
-Unplated 20-holes Blaylock tonering
-Ivoriod tuner buttons

また、ネックの裏面はChiefと同様にSpeed Neck仕様としてもらいました。
当初、生産期間は6〜8週間と聞いていましたが、発注が3月末でしたから、実際は入手まで4ヶ月かかったことになります。

さてその音ですが、同じニート製のOsborne Chiefと比較すると、ネックの材質が違うせいか、はたまたフランジがグレッグ・リッチ供給の物に変わったせいか、鳴り方が異なるようです。入手当初には「こりゃ、外したかな?」と思ってしまったほどで、フランク・ニートに「フランジを元のコックス製に戻せないか?」と交渉までしましたが、フランクによると「その時点で最良のパーツを選択した結果だ」との事だったので、とりあえずはそのまま使用してみることにしました。
すると、入手後1ヶ月を経過したあたりから音が落ち着き出しました。Chiefと比較して深鳴りするようですが、高音域は軽やかにロールします。また、マイクの乗りも良好なようです。Chiefもそうでしたが、半年、1年とまだまだ音が変わって行くんじゃないかと、大変楽しみです。

ヘッドテンションは「G#」、弦は入手時にセットされていたNEAT Banjo Strings(.010 .011 .013 .020w .010)を使っています。


○以降の経緯


2008年6月...American Made Banjo社のDannick no-hole toneringをCharlie Cushman氏に装着&セットアップしてもらいました。

 Gibson GB-3 Conversion #9702-10(1934年

(注)Joe Spann氏の新説によると、1930年製
GB-3 全景GB-3 ポット

2008年12月にアメリカのカーティス・マクピーク氏より入手しました。マクピーク氏によると、このバンジョーは1980年台の前半に彼自身が演奏に使用していたものだそうです。

リゾネータは一見マホガニー製のように見えますが、マホガニーブラウンに着色されたプレーン・メイプル製です。オリジナルのワンピースフランジとトリプル・プライ・シェルは、元々40穴のアーチトップトーンリングを備えていましたが、今は1960年代前半のギブソン製20穴のフラットヘッド・トーンリングに換装されています。また、テンションフープも1960年台のギブソン製に、アームレストはファイブスター(Stewart-MacDonald)製に換装されています。テイルピースは戦前のオリジナル・プレストが付いてますが、4弦用にエクストラホールを追加工したもので、勿論GB(ギターバンジョー)であるこのバンジョーに元から付いていたものではありません。

元々GBとして作られたため、リゾネータにネックのヒールが納まる部分の幅が、RB(レギュラーバンジョー)のそれと比べると8mmほど広くなっています。ランディ・ウッド作のカーリーメイプル製のネックは、このギャップに合わせて、そのヒールは1/8インチ程幅広に作られていました。またフランジにも、幅広のギターネックが装着されていた名残の、余分な穴が2つ残っています。

外観の程度も良く、また深く克つ切れの良い音がしたのですが、音のパワー、そしてレスポンスに不満を感じてきました。半年程度はそのままの状態で弾いていたのですが、次第に我慢できなくなり、結局、TB-75 conversionと同じ、no-hole unplatedのBlaylockリングに換装してしまいました。

ランディ・ウッド作のネックも外観は綺麗でしたが、どうも私の手にはしっくり来ませんでした。1年経っても手に馴染まず、結局こちらも、フランク・ニートに作ってもらうことになりました。約10年前に伐採されたインディアナ州産のカーリーメイプル製だそうで、指板はブラジリアン・ローズウッド製です。元のネックは、1960年台のスクラッグスのグラナダに見られたハーツアンドフラワーインレイ(第1フレットにインレイ無し、第15フレットにインレイあり)でしたが、新しいネックは標準的なグラナダのハーツアンドフラワー(第1フレット、第15フレットにインレイ無し)で作ってもらいました。

ヘッドテンションは「G#」、弦は入手時にセットされていたMcPeake's Unique 5-String Banjo Strings(.010 .011 .013 .020w .010)を使っています。


○以降の経緯


2010年7月...Jim Burlile氏作のPittman style cam D-Tunerを装着しました。

 Gibson TB-3 Conversion #9903-15(1935年

(注)Joe Spann氏の新説によると、1932年製

2012年10月にアメリカのカーティス・マクピーク氏より入手しました。マクピーク氏によると、これの前のオーナーはSullivan banjoのBill Sullivan氏で、奥さんの名前「Myrtle」をこのバンジョーに付けて可愛がっていたのだそうです。また、現在のSullivan banjoのVintage-35シリーズのプロトタイプを作る際に、このバンジョーを徹底的に研究したそうです。

現在のSullivan Banjoのオーナーであり、Billの息子であるEric Sullivan氏が、現所有者の私を探し出し、このバンジョーのオリジナル・テナーネックをプレゼントしてくれたのには、本当に感激しました。

このバンジョーは、Greg Earnest氏のサイト「Prewar Gibson Mastertone Banjos」にも掲載されています。


○以降の経緯


2014年6月...ネックをFrank & Ricky Neat製に換装しました。


<<<以前所有していたバンジョー>>>

 Gibson TB-75 Conversion(c.1938年

TB-75 全景TB-75 ポットTB-75 ポット2

1997年10月にアメリカのカーティス・マクピーク氏より入手しました。マクピーク氏によると、これの前のオーナーは高級カポタストで有名なトム・マッキーニ氏だそうです!!

まず外見ですが、思ったよりきれいでした。フランジに少しソリが見られますが、その分オリジナルパーツと言うのが解ります。アームレストとテンションフープはオリジナルじゃないようですが、テールピースはオリジナルのプレストだそうです。ちなみに、ヘッドはマーク無しのレモのようでしたが、なぜか緩んでしまうので現在はビンテージREMOに換装してます。

ネックは、フランク・ニート氏作ですが、思ったよりも古そうです。(私は、氏の作ったネックは新しいのしか知りませんでしたから...)インレイの作りがとても丁寧です。確かに私の見た他のフライングイーグルインレイ(ニューギブソンも含めて)と比べても細工が細かく感じました。以前、バンジョーニュースレターの表紙を飾ったスティーブ・フーバのRB-75のネック(これは最近のニート氏の作)と比べても12フレットの細工が細かく感じますし、氏の初期の頃の作じゃないかと勝手に思っています。

リゾネータの木目はオールドのスタイル3と同じく長く揃っています。リゾネータを外してリム内部を見てもシリアルNo.はスタンプされていませんでした。(30年代後半の物は、ヘッドストック裏のみにスタンプされていた物が多いそうです
リゾネータ内部にも書かれていませんでしたが、マジックで「T.H.M」と書かれています。(どうもマッキーニのイニシャルらしい...)

ブリッジはスナッフィー・スミス5/8"(3弦のピッチ調整が無いもの)を使っています。これは買ったときについていたもので、当時好みではなかったので、ワズワースやグローバ、ホットスポット等を試したのですが、全て音量音質共に悪くなるので、結局元に戻しています。


○以降の経緯


2002年12月...トーンリングをレコキンと交換して、ヒューバーのトリプルゴールドを装着しました...が、またまた気が変わって、数日後にはGibson-Kulishリングに換装しました。

2006年4月...トーンリングをBlaylock Tonering(gold-over-copper flashing)に換装しました。

2007年10月...ほんの気まぐれで、トーンリングをRecordingKingのStyle1リムにのせていたJLS "Special #4" Tone Ringに換装してみたところ、これがなかなか良いのです。確かにBlaylockの方がリッチなトーンだったのですが、今の組み合わせの方が、とにかく鳴るんです。なので暫くこのまま使ってみることにします。

2007年11月...↑などと言った舌の根も乾かぬ間に、unpalatedでunpolishedなno-hole Blaylockリングに換装してしまいました。この組み合わせが、音量、レスポンス、サスティーン等々、全てにおいて今迄でベストです。やっと行き着く先に到達したと感じています。

2014年11月...このバンジョーの前のオーナー(マッキーニから1991年に入手したんだそうな...)からの「買い戻したい」というオファーを受けて手放しました。

 Recording King(1930年代製)

recording king 全景recording king ペグヘッドrecording king 指板recording king 背景

私のハンドルネーム「レコキン」のもととなった愛器です。
1995年5月に、マクピーク氏より購入した物で、当初ネックとリゾネータが30年代半ばのオリジナル5弦で、ボディーは New Gibson RB-4のものが付いていました。通常、オリジナル5弦は非常に高価なのですが、ボディーが New なので、比較的安価に入手できました。

Recording King は、ギブソンがMontogomery & Wardという通販会社の依頼で1928年〜1937年に製作したブランドです。

ペグヘッドの形は、W-cut-a-wayやFiddle-shapeと違って、Style-11に使われている物です。もともとRecording Kingと書かれていたらしいのですが、Gibsonと書き直されています。指板のインレイは扇子を60゜ぐらいに広げたようなシンプル(少々寂しい)な形をしていて、なんだか東洋風です。元々付いていたリゾネータは通常のGibsonの物より1p程度厚く、多分オリジナルは浅いシェルが付いていたと思われます。

ブリッジはワズワース5/8を使っています。これは15年ほど前に買ったもので、当時、彼(ワズワース氏)の古いピアノを分解して得た材で作っていると言うふれこみでしたが、未だに売ってますね...そ〜んなにでかいピアノはおまへんでぇ〜(大木こだま・ひびき調で...)エボニー部分を少し削って、低くして使ってます。
ヘッドはマーク無しなので、たぶんニューギブソンと同じものの様です。


○以降の経緯


1998年11月...リゾネータを広島の城氏より購入したカーリーメイプル製に取り替えました。

1999年1月...トーンリングをヒューバーのトリプルゴールドに取り替えました。また、ネックの裏側の塗装をはがしてシェラックニス塗り、つまりOsborne Chief BanjoのFrank Neat作ネックに見られる、所謂「Speed Neck」仕様に改造しました。

2002年12月...トーンリングをTB-75改と交換して、マクピークリングを装着しました。また、リムをTony Pass Banjo Rim(Old Wood Rim)に換装しました。

2004年5月...1929年製TB-3のリゾネータ(シリアルNo:8527-6)を入手し、レコキンに装着しました。

2006年5月...1936年製RB-1のリム(シリアルNo:919-38)”らしきもの”を入手し、Tony Pass Banjo Rimと換装しました。また、トーンリングをJLS "Special #4" Tone Ringに換装しました。


結果、RecordingKingとStyle1とStyle3の複合体Prewar Gibsonという、ホントにわけのわからないバンジョーが出来上がりました。


2013年2月...ポットを手放した為、現在はオリジナルのネックとリゾネータのみが手元に残ってます。

 Osborne Chief #123(2006年

chief_frontchief_sidechief_neckchief_potchief_resochief_reso2chief_frangechief_armt

2006年6月にソニー・オズボーン氏より購入しました。
その際の経緯は「Osborne Chief導入(?)日記」でご覧いただけます。

Osborne Chiefバンジョーは、ソニー・オズボーン氏が自身で厳選したパーツを用いて、自身のPrewar Gibson Granadaを再現することをコンセプトにリリースした独自ブランドのバンジョーです。そのパーツとは、フランク・ニートのネック、ジミー・コックスのリム&リゾネータ、そしてビル・ブレイロックのトーンリングという、現在考え得る最高のラインアップで構成されています。

その上、このバンジョーにはもうひとつ特筆するべき特徴があります。ナッシュビルで今話題のバンジョープレーヤー&セットアッパーである、チャーリー・クシュマンによるエキスパート・セットアップがオプションで施されているのです。その結果、バンジョー弄りの好きな私でも、さすがにどこも弄ることが出来ません(^^; 勿論、どこも弄らなくても既にベストコンディションです。ちなみに、ヘッドテンションは「G#」に、弦はGHSのPF135(.010 .011 .012 .020w .010)がセットされてました。
弦の径を実際に測定してみたところ、GHSのPF140(.095 .011 .012 .020w .0095)がセットされていたことが判明しました。Sonny自身はPF135と思っていたようで、これがエラーなのか、製作側(Frank Neat)の意図によるものなのかはわかりませんが、PF135を張ると音が変わってしまうため、PF140のセットを常用することにしました。

他に、カールトン・デラックスケース、エリオット・カポ、ドッグウッド・レザーストラップ(全てChief特別仕様)が標準装備されています。


○以降の経緯


2014年3月...手放しました。

 アクセサリー


「弦」

GHSのSONNYモデル、JDモデル、McPeakeオリジナル、GIBSONプレミアム、etc...といろいろ試してきましたが、結局これに行き着きました。
*GIBSON EarlScruggss Medium
低音の豊かさ、高音の伸び、全体的な落ち着きが特徴でしょうか?ちょっと派手さが足りませんが、何よりなのは長持ちする点です。Lightが良いかMediumが良いかは、そのBanjoのトーンリングとリムの接合具合にも因るのではないかと、考察しています。私のReco-Kingは、音量面で有利なMedium弦が合うように広島のJoさんに調節してもらいました。


○以降の経緯


2006年10月...それぞれの楽器で弦を変える様にしました。

*TB-75 Conversion : McPeake's Unique 5-String Banjo Strings - Light(.010 .011 .013 .020w .010)

*Recording King : GHS Banjo Strings - PF140 - J.D. Crowe Light(.0095 .011 .012 .020wJD .0095)

*Osborne Chief : GHS Banjo Strings - PF140 - J.D. Crowe Light(.0095 .011 .012 .020wJD .0095)
   ...2007年4月現在、GHS Banjo Strings Custom(.010 .011 .013 .020wJD .010)をテスト中


2009年2月...現時点でのそれぞれの楽器の弦は以下のとおり。

*TB-75 Conversion : McPeake's Unique 5-String Banjo Strings - Light(.010 .011 .013 .020w .010)

*Recording King : GHS Banjo Strings Custom(.010 .011 .013 .020wJD .010)

*Osborne Chief : GHS Banjo Strings Custom(.010 .011 .013 .020wJD .010)

*Neat Kentucky : NEAT Banjo Strings(.010 .011 .013 .020w .010)



「ピック」

一般的にポピュラーな、《サムピック》takamine、《フィンガー・ピック》Nationalなんですが、使い方がちょっと違います。私の手は非常に小さいので、takamineのサムピックを70度ぐらいのお湯でアーチ部を熱し、小さく曲げ直して指にフィットさせてます。また、弦にあたる部分は1センチ程度に切り詰めて、ヤスリで先を丸く仕上げてます。これはピッキングを強くするためです。
Nationalのフィンガー・ピックは学生の頃使っていて(約20年前)すり減って使わなくなったものをまた出してきて、曲げ直して使っています。これがまた良いのです...(^^)/~皆さんも昔のピックを探してみては...要らないのがあったら私が頂きます。弦にあたる部分ですが、指のアーチに従ってかなり深く曲げています。この方が弦のヘッド向きの方向に振動を与えられて、楽器の「木」の音が出るという神戸の吉崎氏の説を人伝いに聞きましたが、真偽はいかに...
   ...2014年11月現在、Nationalの戦後最初のモデルで、USA刻印の無い、通称「oval 8」を使用しています。



 トップに戻る

inserted by FC2 system